

類人猿分類とは?4タイプの特徴と診断・人間関係への活かし方
「どうして、この人はそんな考え方をするんだろう?」
「自分なら嬉しいのに、なぜこの人には響かないんだろう?」
「同じことを伝えたのに、すぐ行動する人と、じっくり考える人がいるのはなぜ?」
職場でも家庭でも、私たちは自分とは違う考え方をする人と関わりながら生活しています。
類人猿分類は、そんな「人と人との違い」を、オランウータン・ゴリラ・チンパンジー・ボノボという4タイプを通して、分かりやすく理解するための分類法です。
目的は、「あなたはこのタイプだから、こういう人」と決めつけることではありません。
自分と相手では、大切にしていること、考え方、行動のきっかけ、心地よいコミュニケーションが違う。
その違いに気づくことで、これまで「理解できない」と感じていた相手の行動にも、別の見方ができるようになります。
人の違いを、対立ではなく理解へ。
さらに職場では、違いを互いの強みとして活かせる関係へ。
類人猿分類は、楽しみながら自分と他者への理解を深め、コミュニケーションや人間関係、チームづくりに活かすための考え方です。
類人猿分類はどうやって生まれた?|岡﨑和江と名越康文先生の物語

類人猿分類は、動物の名前を人の性格に当てはめようとして生まれたものではありません。その始まりには、企業経営や人との関わりの現場を知る岡﨑和江さんの好奇心と、精神科医・名越康文先生との長年の交流がありました。
発案者・岡﨑和江さんは、企業経営と心理学の両方に関わってきた人
類人猿分類の発案者である岡﨑和江さんは、福山の総合食品企業「エブリイ」の経営に携わる一方、アドラー心理学を学び、学校カウンセラーなど心理臨床の現場にも関わってきました。
企業では、一人ひとりの能力や考え方が違う人たちが、同じ目標に向かって働きます。誰にどの仕事を任せるか、異なる個性をどう組み合わせるか。岡﨑さんには、そうした人間関係や適材適所を考える現場での経験がありました。
日本から海外へ。類人猿を観察する中で生まれた着想
名越先生のコラムによれば、岡﨑さんが類人猿への関心を話し始めたのは、執筆当時からおよそ15年前のことでした。
岡﨑さんは日本だけでなく海外の動物園にも足を運び、オランウータン、ゴリラ、チンパンジー、ボノボのしぐさや行動を観察。専門書を読み、専門家の講座にも参加して、生態への理解を深めていきました。
同じ大型類人猿でも、単独で過ごすことの多いオランウータン、集団内で競い合うチンパンジー、感情的な交流を通じて関係を築くボノボ、秩序ある小集団で暮らすゴリラでは、行動や集団との関わり方が異なります。
そうした違いを見つめるうちに、類人猿の特徴から、人間の価値観や行動傾向を理解するヒントが得られるのではないかという着想が生まれました。
古くからの友人・名越康文先生への相談
岡﨑さんと名越康文先生は、類人猿分類を通じて初めて知り合ったわけではありません。名越先生はコラムの中で、岡﨑さんを古くからの年上の友人と紹介しています。
2009年頃、岡﨑さんは、類人猿の観察から生まれた考え方について、心理学的な見地からどう考えられるかを名越先生に相談しました。
名越先生も岡﨑さんが薦めた類人猿の書籍を読み、福山で開催されたセミナーにゲスト講師として複数回参加。ご自身が長年取り組んできた性格分類や、ほかの性格分類法も参考にしながら、この考え方を検討していきました。
企業人としての実感から生まれた岡﨑さんの発想に、精神科医としての名越先生の視点が加わったこと。それが、類人猿分類の成り立ちを語るうえで欠かせない経緯です。
「人を知る」だけでなく、「人間関係の中で使う」ために
名越先生が類人猿分類の特徴として挙げているのは、類人猿に対して私たちがすでに持っているイメージの力と、職場・チーム・家族など、人間関係の現場で使いやすいことです。
複雑な専門用語を覚えなくても、4つのタイプを入口として「自分と相手では、大切にしていることが違うのかもしれない」と考えられる。しかも、その気づきを仕事の分担や伝え方、互いの強みを活かす関係づくりにつなげられます。
類人猿分類は、動物の生態と人間の性格が一対一で対応することを科学的に証明した診断法という意味ではありません。観察から生まれた着想を、人間関係を見直すための分かりやすい枠組みとして活用するものです。
違いを知ることで、相手への見方が変わる。その先で、人と人との関係を変えていく。岡﨑さんの現場感覚と名越先生の検討を経て育まれてきた類人猿分類の魅力は、そこにあります。
類人猿分類の4タイプ
類人猿分類では、人の価値観や行動傾向を理解する入口として、4つのタイプを用います。
ここで大切なのは、どのタイプが優れている、劣っているという考え方ではないことです。
それぞれに得意なこと、苦手なこと、大切にしていることがあります。
自分とは違うタイプの特徴を知ることで、「なぜそんなことをするの?」が、「なるほど、この人はそこを大切にしているのか」に変わっていきます。
オランウータンタイプ|職人気質のこだわり屋
納得するまで深く考える探究派。
論理的に考えることや、一つのことを深く掘り下げることを得意とするタイプです。周囲に合わせることよりも、自分自身が納得できることや専門性を高めることを大切にする傾向があります。
- 長所
論理的思考・集中力・専門性 - 得意
分析・改善・問題解決 - 大切にすること
自由・納得・成長
詳しく見る:オランウータンタイプの特徴・性格・仕事・コミュニケーション
ゴリラタイプ|平和主義の安定志向
仲間と安心を守るサポーター。
周囲との調和や安心できる環境を大切にし、決められたことを誠実に進めることを得意とするタイプです。人を支えたり、チームを安定させたりする力を発揮します。
- 長所
誠実・思いやり・協調性 - 得意
サポート・調整・安定化 - 大切にすること
安心・信頼・和
詳しく見る:ゴリラタイプの特徴・性格・仕事・コミュニケーション
チンパンジータイプ|勝ち負け重視の積極派
結果を求めて動く行動派リーダー。
目標が決まると素早く行動し、成果へ向かって周囲を引っ張っていくことを得意とするタイプです。挑戦することや、目に見える結果を出すことにやりがいを感じる傾向があります。
- 長所
決断力・実行力・目標志向 - 得意
リーダーシップ・推進・突破 - 大切にすること
成果・勝利・挑戦
詳しく見る:チンパンジータイプの特徴・性格・仕事・コミュニケーション
ボノボタイプ|感情豊かなムードメーカー
人とのつながりを大切にする共感派。
人の気持ちや場の空気を敏感に感じ取り、人と人との関係をつなぐことを得意とするタイプです。自分だけで成果を上げることより、周囲と気持ちを共有することを大切にする傾向があります。
- 長所
共感力・感受性・社交性 - 得意
関係構築・共感・場づくり - 大切にすること
共感・つながり・楽しさ
詳しく見る:ボノボタイプの特徴・性格・仕事・コミュニケーション
類人猿分類診断で自分のタイプを知る
類人猿分類を理解する最初の一歩は、自分自身がどのタイプに近いのかを知ることです。
自分のタイプが分かると、「なぜ自分はこれを大切にするのか」「なぜこういう場面でストレスを感じやすいのか」など、自分自身の行動を振り返るきっかけになります。
そして面白いのは、自分のタイプを知った後です。
「では、あの上司は?」
「あの部下とは、なぜ話がかみ合わない?」
「自分とは正反対に見える同僚には、どんな伝え方が響く?」
自分を知ることから、相手を理解することへ。
そこから類人猿分類の本当の活用が始まります。
類人猿分類は「人を4種類に決めつけるもの」ではありません
人間の性格は、本来とても複雑です。
生まれ育った環境、経験、立場、仕事、年齢などによっても行動は変わります。
そのため、類人猿分類は「人間は4種類しかいない」と考えるものではありません。
4タイプは、人と人との大きな違いに気づくための入口です。
相手をラベル付けして、「ゴリラだからこうだ」「チンパンジーだからこうするはず」と決めつけてしまえば、本来の目的とは反対になってしまいます。
「もしかすると、自分とは大切にしているものが違うのかもしれない」
そう考えるための一つの視点として使うことで、人を見る角度が増えていきます。
精神科医・名越康文先生監修|現場で使える分類法としての魅力
類人猿分類は、精神科医・名越康文先生に監修いただいています。
名越先生は、発案者・岡﨑和江さんから相談を受けた後、類人猿に関する文献や性格分類の知見を参考にしながら検討を重ねてきました。
先生のコラムで特に印象的なのは、類人猿分類を単なる「性格当て」ではなく、職場やチーム、家族などの対人関係で活かせる分類法として評価している点です。
また、4タイプという覚えやすさについても、人間関係を調整する入口としての実用性に着目しています。人を細かく分類することより、まず自分とは異なる価値観の存在に気づく。そのための共通言語として、類人猿分類の可能性を語っています。
このページの誕生エピソードと監修内容は、名越康文先生のコラム「類人猿分類はこうして生まれた!」をもとに再構成しています。
名越康文先生プロフィール
精神科医 名越康文
1960年奈良県生まれ。精神科医。相愛大学・高野山大学・龍谷大学客員教授。
大阪府立中宮病院(現:大阪精神医療センター)にて精神科救急病棟の設立、責任者を経て、1999年に同病院を退職。引き続き臨床に携わる一方、テレビ・ラジオのコメンテーター、映画評論、漫画分析など幅広い分野で活動。
日本テレビ「シューイチ」やYouTubeなどでも活躍。著書に『心がフッと軽くなる「瞬間の心理学」』『仕事で折れない心のつくり方』など30冊以上。
類人猿分類は「相性が良い・悪い」を決めるもの?
類人猿分類を知ると、「どのタイプとどのタイプの相性が良いの?」と気になる方も多いかもしれません。
しかし、類人猿分類では、単純に「この組み合わせは相性が良い」「このタイプとは合わない」と決めることを目的としていません。
似た価値観を持つ相手とは、分かり合いやすい反面、同じような弱点を持つ場合があります。
一方、自分とはまったく違うタイプとは、最初は「理解できない」と感じても、自分にない強みを補ってくれる関係になることがあります。
違うから合わないのではなく、違いを知らないからすれ違う。
類人猿分類では、相性を固定的に判断するよりも、お互いの違いを知り、どう関われば強みを活かし合えるかを考えることを大切にしています。
類人猿分類が職場・企業研修と相性が良い理由
世の中には、さまざまな性格診断やタイプ診断があります。
その中で類人猿分類が特に活かしやすい場面の一つが、企業研修、社内教育、職場の人間関係づくりです。
理由は、診断結果を知って「当たっている」「面白かった」で終わらせず、自分とは違う人と、どう仕事をするかへつなげやすいからです。
自分だけでなく「相手」を理解できる
自分の性格を知ることも大切ですが、職場では一人で仕事をするわけではありません。
上司、部下、同僚、他部署、取引先など、自分とは異なる人と協力する必要があります。
類人猿分類では、自分を理解するだけでなく、他タイプが何を大切にし、どのような伝え方を受け取りやすいのかを考えます。
4タイプなので職場の共通言語にしやすい
どれほど精密な診断でも、研修後に内容を思い出せなければ、日常業務では使いにくくなります。
類人猿分類は4タイプというシンプルな構造と、動物のイメージを使うことで、研修後にも思い出しやすい特徴があります。
「これはチンパンジーに任せたほうが早そう」
「オランウータンが納得できるように根拠を用意しよう」
「ゴリラが安心できるように手順を共有しよう」
「ここはボノボに場をつないでもらおう」
このように、4タイプが職場の共通言語になることで、違いを仕事の中で活かしやすくなります。
「合わない人」を「自分にない強みを持つ人」へ
自分とは違う考え方をする人を見ると、つい「どうして分からないの?」「なぜそんなやり方をするの?」と思ってしまいます。
しかし、その違いは相手の弱点ではなく、自分にはない強みの表れかもしれません。
類人猿分類を通して互いの得意・不得意を理解すると、苦手なことを無理に同じようにやらせるだけではなく、互いの強みを活かした役割分担を考えやすくなります。
「イラッ」を「クスッ」に変える類人猿分類
類人猿分類を職場で活用するうえで、私たちが大切にしている変化があります。
それは、違うタイプの行動に対する「イラッ」を、「クスッ」に変えることです。
「なんでそんなに慎重なの?」
「なんでそんなに結果を急ぐの?」
「なんでそこまで周りに気を遣うの?」
「なんでそんなに人の気持ちが気になるの?」
自分の価値観だけで見れば、相手の行動は理解しにくいことがあります。
でも、「ああ、このタイプならそこを大切にするよね」と分かれば、少し笑って受け止められることがあります。
さらに、
「自分にはできないけれど、この人だからできる」
と思えるようになれば、違いはストレスではなく、チームの力になります。
類人猿分類を企業研修・社内教育に活用する
株式会社YPYエデュケーションでは、類人猿分類を企業のさまざまな組織課題に合わせた研修として提供しています。
- チームビルディング研修
互いの強みと違いを理解し、個人の力をチームの力へ変える。 - ハラスメント研修
相手を尊重した伝え方と適切な指導を学び、ハラスメントを防ぎやすい職場づくりを目指す。 - 離職防止研修
社員の個性に合わせた育成や相互理解を通して、働き続けやすい職場づくりを支援する。 - リーダーシップ・管理職研修
部下のタイプに合わせた伝え方、褒め方、任せ方、育成方法を考える。 - 新人研修・新入社員教育
新人の自己理解と上司・先輩との相互理解を、配属後のコミュニケーションへつなげる。 - コミュニケーション研修
自分が伝えたい方法ではなく、相手に伝わりやすいコミュニケーションを考える。
性格診断をして終わるのではなく、類人猿分類を職場の共通言語にし、人の違いを組織の強さへ変えていくことを目指します。
詳しく見る:類人猿分類研修|企業の課題から選べる研修・サービス
まずは、自分のタイプを知るところから
人間関係を変える第一歩は、相手を変えることではなく、まず「自分と相手は違う」と知ることかもしれません。
自分が当たり前だと思っていることは、別の人にとっては当たり前ではない。
そして、自分が苦手としていることを、自然にできる人がいる。
類人猿分類を知ると、人を見るときの選択肢が一つ増えます。
あなたは、オランウータン・ゴリラ・チンパンジー・ボノボのどのタイプでしょうか。
まずは無料診断から、自分自身の特徴を確かめてみてください。
